脳への電気刺激——神経細胞は電流で活性化するか?

経頭蓋直流刺激(tDCS)は、頭蓋を通じて脳に弱い電流を流すことにより、通常の活動以上に神経細胞を活性化させる技術である。これは新しいコンセプトではなく、費用もそれほど必要ない。40ドルほどでキットが購入できるし、最近は製品化もされている。予備調査によれば、経頭蓋直流刺激は認知機能を高め、不安障害、鬱病、その他の疾患の症状を緩和する可能性があるという。このため経頭蓋直流刺激はメディアの注目を集めるようになっている。しかし、アナルズ・オブ・ニューロロジー誌に発表された神経科学に関する最新の論文によると、科学的研究の手法とDIY的手法には明白な違いがあり、経頭蓋直流刺激を「Do-it-yourself」で実施している人は、思いがけないリスクに自分自身をさらしているという。この論文には39人の著名な専門家が執筆者として名を連ね、経頭蓋直流刺激に関する研究結果を自分で再現しようとすることの危険性を指摘している。脳への刺激が予期せぬ結果をもたらす可能性や、一定の恩恵が得られる代わりに他の部分に神経学的な影響が生じている可能性があるためだ。この論文は、経頭蓋直流刺激を家庭で行うことは危険であるため推奨できないことを明確に示すために執筆された。

tdcs論文は、刺激がターゲットではない領域に影響を与えていないか、施術中にどのような活動が適切であるか、人によって作用に違いはないか、どのような種類の刺激が実際に与えられているのかといった問題を提起し、多くの研究が健康な人の認知機能向上ではなく、疾患の症状の治療を目的としている点を指摘している。

研究対象としては経頭蓋直流刺激はまだ比較的新しい技術だ。市販されている製品を使用して誰でも施術が可能であるが、この論文が示す科学界のコンセンサスは、このような介入を家庭で行えるようにする前に、さらなる研究を行ってまずはその効果と実用的意義を明らかにする必要があることを示唆している。

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